新卒入社したCINCを3年3ヵ月で退職しました!
タイトル通り、2019年4月に新卒1期生として入社した株式会社CINCを2022年6月末をもって退職しました。
自分の備忘録として2~3時間でまとめられる範囲で3年半を振り返りたいと思います。
ざっくり概要
- 2022年6月末に新卒で入社した株式会社CINCを退社しました
- Keywordmap for SNSのPMとして0→1の立ち上げから1→10を担当し、ARR2億円まで経験しつつ、IPO経験及び上場企業での管理監督者の経験をさせていただきました
- CINCはとても良い感謝で、新卒入社して良かったです!
- 私生活・仕事に対する考え・興味関心などが変化し、転職に至りました
- 次もSaaSのプロダクトマネージャーとして仕事をする予定です
(企業名は出ません。気になる方は個別に聞いてください〜)
これ以降は、概要で記載したことも含め、より詳細を記載します。
株式会社CINCとの出会いとこれまで
CINCの紹介
2014年4月に創業したデータソリューションカンパニーです。
コンテンツマーケティングのコンサルティングから開始し、現在ではDXコンサルティングとSaaSプロダクトの提供が中心となっています。
2021年10月に東証マザーズ(当時)に上場し、約120名の従業員数となっております。
なぜCINCに入ったのか
2019年4月に入社しましたが、入社の決め手は下記3つでした。
・デジタルマーケティングの会社であること
・コンサルティング事業と自社サービス事業の両軸を抱えていること
・新卒1期生としての採用だったこと
学生時代に3社ほどインターンを経験させていただく中で、デジタルマーケティングの奥深さと面白さを教えていただきました。そのような状況の中で、自らのスキルアップという観点では領域を跨いで支援ができるコンサルティングが、一気通貫でサービスの成長を担えるという観点では自社サービス事業が魅力的でした。
CINCは、その両面を持っていたため、他のデジタルマーケティングの会社より魅力的に写りました。
また新卒1期生ということで、特に縛られることなく、自らがロールモデルになれるのでは?といった自由さも魅力的であり、入社する運びとなりました。
入社当時の思いはこちら💁♂️
何をしてきたのか
たくさんの経験を積ませていただきましたが、主に3つに分類できます。
・新規事業であるKeywordmap for SNSのPM
・開発部のマネージャー
・その他(営業・R&DのPM・CIC・社内プロジェクト)
Keywordmap for SNSのPM
既に何度も登場している通り、SNSマーケティングによる成果創出及びソーシャルリスニングを実現するKeywordmap for SNSのプロダクトマネージャーとして一貫してサービスの立ち上げ・グロースを経験させていただきました。
立ち上げ期
2019年10月1日に正式リリースしましたが、最初はPMFしておらず、かなり厳しい状況が続きました。
さらにPMF前にコロナが直撃し、完全に企業活動がストップしてしまい、社内では事業継続に関して議論されるまで至りました。
そのような中でも、副社長・営業・開発が一致団結して日々試行錯誤を繰り広げていく中で、徐々に購入してくださる企業様が現れ、軌道に乗り、売上が徐々に積み重ねられていきました。
私も営業に同席したり、毎日Salesforceのダッシュボードを見て、予算達成をどのようにするか、営業資料をどうするかなど、まさにてんやわんやする日々でした。
グロース期
PMF後、より開発速度を増していくために、開発チームが徐々に大きくなり始めました。
それまでは、チームメンバー = 立ち上げメンバーでしたが、これまでの経緯を知らないメンバーも入ってくる中で、次の課題にぶつかりました。
それは、
- ドキュメント不足による情報伝達の非効率さ
- システムの信頼性・冗長性・保守性の低さ
といったサービス・チームともに立ち上げ期にはあまり課題にならなかった情報共有やスケールに関するモノでした。
この頃に、Confluenceやデザインツール(Adobe XD)を導入し、開発(なんちゃってアジャイルの導入)・運用体制(定期振り返りの実施)も大きく変更しました。
※ちなみに、デザイナーが居ないため、PMである私がプロトタイプまでXDで作成しておりました。
その後、約1年を掛けて各種ドキュメントを整備しつつ、システムの安定稼働に向けて新規機能開発を行いつつ、障害対応やバグ修正を行なっていきました。
安定期
1年半ほど経つと、さらに事業は伸びてきており、スケールするサービス開発を目指しました。
もともとスピード重視でPHPによる密結合状態で機能開発を進めてきましたが、2020年末頃より、
- Reactの導入
- 上記にあわせてフロントエンド・バックエンドを分けた疎結合の推進
- PHPフレームワークのLaravelの導入
を順番に実施していきました。
※もちろん新機能開発も合わせて
この辺りは、テックリードに非常に助けていただき、営業側と開発側のバランスを上手く取りつつ、経営側の数値も考慮した開発ができたのではないかと思います。
また業務委託のQAの方と一緒に、品質担保・テスト効率向上を目指してAutifyの導入なども実施しました。
退職直前(2022年以降)
チームとしても非常に強固な体制を築くことができ、
- 継続的な価値提供の実施
- 技術負債の解消
- 属人化の低減
を同時並行で進めることができるようになり、チームの自律性が非常に増しておりました。
決して機能のリリース数では計れませんが、新機能だけでも月1ペースで出しつつ、既存機能の改修やUX向上施策なども取り入れ、さらにリファクタリングなども実施するなど、各メンバーに非常に助けられておりました。
開発部のマネージャー
有難いことに、社会人3年目には5月にリーダーを飛ばしてチーフに昇格し、8月には諸事情もありマネージャーへ昇格しました。
メンバー時から、予算管理などPL及び開発計画に伴うBSを管理しておりましたが、冒頭でも記載した通り、上場申請前後の社内体制の変化などもあり、色々と苦悩しましたが、良い経験となりました。
細かいことは書けませんが、ソフトウェアの会計基準については、かなり詳しくなった気がします。
(なった気がしているだけ)
その他、マネージャーとして採用や育成などにも微力ながら携わらせていただきつつ、ドキュメント文化・振り返り文化の促進などを積極的に行いました。
自分がメンバーの時は、色々と上長に文句?も直接言っておりましたが、自分が上司の立場になると、改めて上長が見えないところで色々仕事をしてくださっていたのだなぁと、組織運営で必要な庶務なども見えてきて、新卒1〜2年目のぶうぶう言っていた自分を殴ってやりたいです。
その他
主務としては、Keywordmap for SNSのPMと開発部のマネージャーでしたが、それ以外にも3年間で色々と経験させていただきました。
新卒入社3ヵ月は、Keywordmapの新規営業を担当させていただき、1件ではありますが受注できた時は、非常に嬉しかったのを今でも覚えています。
またR&D(基礎研究チームで特に自然言語処理に強みがありました)チームのPMも約1年半ほど兼務しておりまして、プロダクトへの転用を考慮しつつ、半年から1年のプロジェクトをロジックや技術含め、色々とR&Dエンジニアと議論させていただきました。
具体的にリリースされているものとしては、SNSアカウントの所在地・属性の推定などはプロダクト側とR&D側の両面を担っていたからこそ、スピーディーに進められました。
また東大の松尾研発のELYZEが出した文章要約サービス「ELYZE Pencil」に近しいこともやっていたりしました。
その他、社内初のオンライン展示会「Contents Innovation Conference」の登壇者様側の責任者を務めたり、新卒プロジェクトとして国内外のMarTech企業を継続的に調査したり...
そんなこんなで、色々と経験させていただく中で「Best Rookie」に選んで頂いたり。
CINCの良い点
CINCの良いところはたくさんあるのですが、特に中途入社で入られてくる方が仰ることも含めて書くと、
- 人が良い(足を引っ張る人がおらず、皆協力的)
- コミット力が高い
- 学習意欲の高い人が多い
という人の良さと、
- マーケティング思考を前提とした文化があり、コンテキストが揃っている
- 市場が伸びており業績も良い。結果的に給与も上がりやすい
という組織の仕組みや市場全体の流れがあります。
CINCで学んだ・経験したこと
上記のような良い点と機会に恵まれたことで、
- 仕事への基準を高く持てるようになった
- ビジネスのベーススキルが強固に身ついた
- 新規事業の立ち上げを経験できた
- プロダクト開発の面白さと難しさを経験できた
- IPOという貴重な経験ができた
- チーム育成や組織の形成というマネジメント経験ができた
など、新卒3年間とは思えない経験をたくさんさせていただきました。
※非常に苦しかったことも多々ありましたが...笑
CINCでやり残したこと
色々とやり残したことはありますが、特に心残りなのが2つあります。
- プロダクトマネジメント組織の構築と教育
- 複数プロダクトをまたぐPMまたはPO経験
前者に関しては、諸事情でPM採用を進捗させることができず、そもそも携わっていたサービスのPMが私1人だったので、教育機会などもありませんでした。
後者に関しても、PM業務(並びにデザインなど含む)及びマネージャー業務を委譲できず、挑戦する余力がなかった自らの力不足が悔やまれます...
謝辞
このような貴重な経験を積ませていただいた皆さん、特に社長・副社長には感謝しかありません。
色々と生意気なことを言っては、手厳しくフィードバックをくださったことは、非常に有難い環境でした。
なぜ転職するのか
では、なぜそんな(側から見ると)順調なキャリアを歩み、不満も多くない中で転職するに至ったかですが、思考の変化と今後のキャリアを見つめ直したとき、仕事と仕事以外の自分の中での重要性の比重が変わったからだと思います。
私生活の変化
第1に、2021年11月より同棲を始めたことで、色々と将来のことを考えるようになりました。
その将来は、これまで自分だけのものが、相手や子供など、幅広く考える必要があり、人生の優先度が変わった1番のきっかけだと思います。
キャリア観の変化
前述した通り、人生の中での仕事の優先度が相対的に低下したこともあり、人生をかけて仕事にフルコミットし続けるんだ!というのが、人生の「幸せ」の最大公約数ではないと思い始めたのが大きいです。
仕事に全振りする選択もあると思いますが、私の場合は、バランスを大事にしたいなと、3年働いてみての感想でした。
興味関心の変化
元々学生時代のインターンの流れもあり、マーケティングに興味があり、物が売れる仕組みを考えたり、実践するのが好きでした(今でも好きですが)。
本業のSNSマーケティングのサービスを提供する中で、色々と感じるところもあり、より事業の根幹に関わる部分で、オンラインだけではなくオフラインへも介在できないか?と興味が沸々と湧いてきておりました。
成長鈍化への懸念
また新卒3年目以降は成長鈍化及びコンフォートゾーンへの突入を感じており、長期的なキャリアを考えたときに、20代半ば、もう少しストレッチしなければという焦りもありました。
入社前からのぼんやりとした考え
世の中的にも人生100年時代と言われている通り、学生の頃から30歳ごろまでには一度転職するだろうなとは、ぼんやりとでは思っていました。
また正直、3年目以降は、3年先がある程度想像できてしまい、自分が居なくても良いのでは?と思ったことも大きかった気がします。
そんなこんなで、色々と担当プロダクトも一区切りがついたところで、転職を決意しました。
転職先について
ここからは転職先についてです。 冒頭でもお伝えした通り、試用期間などもあるため、具体的な企業名は個別に聞いてください。
転職先の選択基準
転職先は、譲れない部分(いわゆるMust事項)とあったら嬉しい部分(いわゆるWant事項)を作り、Must事項をクリアできそうな企業を5社受け、現職とも比較しつつ、最終的に意思決定していきました。
譲れない部分(Must事項)
Must事項は4つありました。
- toBプロダクト・サービス
- 複数名のプロダクトマネージャーが在籍している
- 市場もサービスも組織も変化が大きい環境
- 上流分のビジネス側(いやゆるBizDevに近い)のスキルが磨けること
toBプロダクトの方がステークホルダーが多く、複雑性もtoCに比べると高いですが、だからこそ解決できる課題が多いと考えており面白さを感じていました。
また前職で感じた課題感もtoBの業務効率化や生産性向上だったため、ここは譲れない部分でした。
また前職の成長鈍化の文脈より、複数名のPMと切磋琢磨したり、議論できる環境が良いと思っていました。また変化が大きい環境の方が、単純にカオス感もありつつ、打席に立てる数も多そうなので、その辺りも見ていました。
最後は新卒PMとして強みのバックグラウンドがないこともあり、よりビジネス側に寄せていこうと思い、上流部分に携われる(集中できる)環境を求めました。
あったら嬉しい部分(Want事項)
Want事項は2つありました。
- オンライン×オフラインを繋ぐサービスであること
- PM間でナレッジシェアの場があること
デジタルマーケティングに携わる中で、幾度となく、オンラインで完結しないことを痛感したため、可能であればオンライン×オフラインをシームレスに繋げるなども考慮していきたいと考えていました。
また時代的にも、やはりオフラインのデータをいかに取りつつ、オンラインと融合するかが、この先ますます重要になるのは必然だと考えていたため、キャリア的にも得られると良いなと思っていました。
ナレッジシェアはあれば良いな。ぐらいですが、他のPMの思考をトレースしたいと思っていたので、逆質問などで各社へ聞いておりました。
今後
7月1日から次の会社で働いています。今後も引き続きSaaSのプロダクトマネジメントに従事していきます。
中小企業の業務効率化・生産性向上に寄与すべく、邁進していきます!
(プレイヤーに戻ったため、手足動かしまくります!)
最後に
5,000文字で抑えようとしつつ、8,000文字に...
今回の転職は、いわゆる同職種・異業界でした。転職決意からオファー面談まで、1ヵ月半〜2ヵ月程度の比較的早いスピードで進めましたが、面接対策や全体の流れについてはまた別の記事で。
興味を持って読んでくださり、ありがとうございますー!
ご飯とかぜひ、誘ってください。