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【要約&レビュー】ウェルスナビ社長の「これからの投資の思考法」

【要約&レビュー】ウェルスナビ社長の「これからの投資の思考法

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こんにちは!はやとです。

 

あなたはロボットアドバイザーという自動積立分散投資を行ってくれるウェルスナビというサービスを知っていますか?

 

銀行預金の金利が0.01%のこの時代に銀行にお金を預けていても、資産は全くと言っていいほど増えません。

 

しかし、高齢化社会を迎えた日本ではより社会保障の質は下がる事が明らかであり、未来の生活は自分の手で作り上げた資産が重要になってきます。

 

そのような世界の変化の中で、自分の資産を上手に運用し、お金の自由を得たいと思いませんか?

 

今回は資産運用を自動で行うロボアドバイザーを提供するウェルスナビの社長・柴山さんがこれまでの人生を振り返りつつ、未来に向けて書いた

 

「これからの投資の思考法」

を読んだので、書評レビューを書いていきたいと思います。

全体の流れとしては、

  • ウェルスナビ・柴山社長とは
  • これからの投資の思考法の書評
  • まとめと感想

 

を紹介していきます。書評はこちら。

ウェルスナビとは?柴山社長とは?

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そもそもウェルスナビとは、働く世代が金融資産を安全かつ楽に運用できるようにという願いを込めて始まっています。 

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著者である柴山社長の原体験から、日米の"金融格差"は想像以上に大きい事に気づき、その格差を埋めるために始まった挑戦であり、金融×テクノロジーという新たな市場に挑戦しています。

 

柴山社長は東京大学法学部を卒業後、日本の財務省に入省し数兆円規模のプロジェクトを担当するなど最前線で仕事をされていました。その後ハーバード・ロー・スクールに通われてニューヨーク州弁護士の資格も取得されています。

 

その後イギリスの財務省へ出向し、日本の財務省との働き方の違いを感じながらイギリス財務省で働いていたそうです。

 

そして2年後にイギリス財務省への出向が終了し、日本の財務省に戻った時、ふと自分の人生を振り返った時に日本の財務省で働き続けることは自分の理想の人生とは異なることを感じ、その翌年に財務省を退職されました。

 

その後フランスの有名ビジネススクール(INSEAD)でMBAを取得し、優秀な成績で卒業されましたが、ギリギリまで就職先が決まらず苦しく、辛い思いもたくさんされたそうです。

 

その後無事マッキンゼーに入社が決まりウォール街で機関投資家のための資産運用システムの刷新プロジェクト等に従事。

 

マッキンゼーでは世界中の本社・支社から30代前後の幹部候補層を集めた合宿を行う事があるのですが、その合宿ではチーム内で数日にかけて真剣に今後のキャリアをお互いに考え、相談し、宣言するそうです。

 

その際に柴山社長は、マッキンゼーで働き続けるのではなく、起業という道を選び、今に至ります。

これからの投資の思考法書評&レビュー

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それでは早速「これからの投資の思考法」の書評&要約を書いていきます。

 

  • 世界のスタンダードに習えば、「老後への備え」の解になるのは資産運用
  • 正しい資産運用について知る機会があるかないかで、人生の豊かさは大きく変わる

本の冒頭のこの2言が、資産運用の重要性を表しています。

 

つまり、人生の豊かさ・充実度・幸福度は資産運用によって左右されると言っても過言ではありません

 

しかし、これまではある理由で資産運用を適切に行う事が出来たのは一部の富裕層に限られていました。その理由はまた後述します。

第1章: 5つの失敗から学んだ投資の鉄則

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  • 第1の失敗: 銀行の特別待遇に舞い上がった

投資を控えようとする行動をとる顧客や、銀行口座から資金を別に移そうとする場合に銀行各社にとっては自社の顧客が減り、預かり資産も減少するためこれまでとは異なる特別な待遇を行い、顧客離れを防ごうとする場合があります。

 

その一時的な特別待遇に、舞い上がり、冷静な判断ができなくなり、結局資産運用で損をしてしまいました。

 

  • 第2の失敗: 「過去のリターンの実績」で選んだ

投資会社には、たくさんの投資信託をお勧めされます。しかし、過去のリターンはあくまでも過去のものであり、参考にしてはいけません。

 

なぜなら、数多く開発される金融商品の中で、過去のリターンが低いものは世にでることなく消え、世に出てくるのは「過去のリターン実績」が良いものだけだからです。

 

過去のリターン実績が低いものは、必然的に光を浴びず、過去の実績が良いものだけに光を当てています。特にテーマ投資などは、すでに高騰している可能性が高く、貴音掴みする可能性が高いです。

 

テーマ投資などで狙うのは、狙うのはまだブームが到来していないものです。

 

ブームの到来は、様々な情報を加味しながら最終的には自分の直感に従う事が重要です。

 

  • 第3の失敗: 銀行のブランドだけで判断した

どんなに有名な投資信託でも、長期・分散・積立投資を行うためのファンドを管理するには、それなりの費用がかかります。

 

いくらブランドがあっても手数料が異常に低い場合などは早期返還に合うこともあり、その場合は再度投資先を検討する必要があり時間を無駄にしてしまう可能性もあります。


アメリカでは純資産総額が数兆円の投資信託が人気ですが、日本では預かり資産が100億円に満たない投資信託が全体の8割りを占めているので、なかなかアメリカのように安定した投資信託を見つけるには難しいです。


日本の投資信託を購入する場合は、特に純資産総額を確認し長期投資を託すにふさわしい安定性があるかどうかを確認必要があります。

 

目安は預かり資産1000億円以上が良いです。

 

  • 第4の失敗: オススメされた株にそのまま投資した

これまでの様々な経験から、なんとなく勉強せずに投資してしまうと大体損をしてしまい、損をした理由も分からなく、経験や知識を増やすこともできません。

 

当然株式投資で成功している投資家は、相当の手間と時間をかけています。

 

十分な時間と費用をかけて情報を集め、徹底的に分析を行えば、企業の価値や将来性はある程度、合理的に評価する事が可能であり、アウトサイド・インといって、企業の内部情報にアクセスせずに、市場の公開情報の範囲で企業の価値や将来性を測ることも可能です。

 

しかし、プロの投資家や個人投資家でもしっかりと利益を上げているのは全体の数%です。

 

大抵は儲かっている人やうまくいっている人がフォーカスされ、その裏で消えていった人には目線が行きづらいです。これは商品開発の時の過去の実績リターンも同じですね。

 

結局目の前にある数字自体は本当でも、全体の中でどのような立ち位置・状況なのかを理解する必要もあります。

  • 第5の失敗: 「有名だから」と投資した

投資の面白さ・怖さを理解してくると徐々に安定していたり有名な会社であれば大丈夫かな?という思いだけで投資してしまうこともあります。

 

しかし、有名という理由だけで投資を行うと、資産が目張りした時に投資した時の根拠が無く結果的に高値で購入し、安値で売却してしまう事が多いです。

 

第1章のまとめ

  • 一時的な状況や、一部の情報だけで判断するのでは無く、冷静に全体を捉えた上で、自分が取れるリスクを考慮して投資する事が重要
  • 投資家や資産会社の顧客は、再現可能な仕組みでは無く、ただの幸運に対して手数料を払っていると考えるのが妥当

第2章: 時間と世界を味方につける資産運用とは?

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  • 投資の基本は、「長期・積立・分散

世界で最も有名な投資家のウォーレン・バフェットさんの投資にも出てきますが、基本的に投資は長期が前提です。

 

日本で流行しているFXや仮想通貨の取引期間は非常に短く、賭けのようになっているのが現状です。

 

しかし、投資の世界では10年以上(可能であれば20年以上)の長期投資が理想とされています。

 

また毎月自動的に積立を行う事で、株価の変動に左右されず投資を行う事ができます。自動で積立を行う事で心理的な変動による衝動買い・衝動売りを防ぐ事が可能です。

 

そのような心理的な安定性を担保した上で、投資先を分散させる事でより一層リスクを回避する事が可能です。

 

驚くことに、分散は投資の中の原則であるハイリスク・ハイリターンに当てはまらない唯一と言っても良い手法であり、ローリスク・ハイリターンを狙う事ができます。

 

  • r > gが投資リターンの原則

よくお金持ちはよりお金持ちになり、貧富の格差が広がると言われていますよね。

 

その現象は、以前話題になったトマ・ピケティの「21世紀の資本」で解説されています。

 

簡単に説明すると、

r = 資本のリターン(利回り)

g = 経済成長

 

であり、基本的には経済成長よりも投資の方がリスクが大きいため、リターンも大きくなる構造です。

 

つまり、経済成長をする限り、投資家(資本家やお金持ち)がより豊かになるのは必然と言えます。

 

  • 世界経済は2050年まで成長

また2050年までは世界経済が成長するとIMF(世界銀行)が試算を出しており、その成長率は3-4%が見込まれています。

 

過去の成長率と投資の利回りから考え、2050年まで投資のリターンは4-6%を目指す事が可能です。

第3章: 日本の資産運用はガラパゴス化している

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  • 失われた20年により日経平均は下降

前章でも述べた通り、一般的に資産運用は「長期・積立・分散」が基本です。

 

しかし、「長期・積立・分散」の前提条件は経済成長をしているという事です。

 

日本は平成に入ってから失われた20年と言われている通り、経済成長が止まっています。そのため「長期・積立・分散」の前提である経済成長が無いのです。

 

その結果「長期・積立・分散」が上手くいかず、日本の投資市場ではゼロサムゲームとなっていました。

※ゼロサムゲームとは、市場全体では利益を生みださずお互いの利益を奪い合うのみ

 

この影響で、どうせゼロサムゲームに参加するならハイリスク・ハイリターンで戦おう!という風潮ができ、値動きが大きい投資対象(FXや仮想通貨)に資産が流れました。

 

日本ではFXや仮想通貨取引はかなり認知度が高いですが、欧米ではFXや仮想通貨取引は投資銀行や機関投資家のトレーダーが行うものであり、一般の人はほとんど利用していません。

 

その結果が、世界のFX取引需要の6割を日本人が占めるというデータが出ることになっています。

  • 経済成長の停滞

これまでは日本の経済が停滞していても、海外市場に投資する手段少なく、消去法的に日本市場での取引を余儀なくされていました。

 

しかし、これからの時代は市場にもIT化の流れが来たことにより、世界中の市場に誰でも投資可能になりました。

 

つまり、お互いの富を奪い合うゼロサムゲームの投資から、世界経済の成長を分け合う非ゼロサムゲームへと変化しています。

 

そのような中で資産運用を成功させるためには、何度も出てきている通り、「長期・積立・分散」の資産運用を基本とし、もしテーマ投資や個別銘柄への投資などを行いたい場合でも資産全体の3割程度に押さえておく事が重要です。

 

このような「長期・積立・分散」を7割、それ以外を3割にすることを

 

コア・サテライト運用

 

と呼ぶ事ができます。

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興味がある人はサテライト部分の運用を行うのが良いですが、忙しい人やあまり興味ない人は、「コア」部分だけの運用でも全く問題ありません。

 

また「長期・積立・分散」投資を行う際にも、資産運用会社のパンフレットなどでは一見リスクが低く見えても、実際には非常に高いケースもあります。

 

法律で、そのような金融商品を紹介するパンフレットにはリスクについての記載が必須になっているので必ず記載されています。

 

しかし、どうしても過去の利回り・パフォーマンスに目がいってしまいますよね?

 

目を奪われ、リスクについての説明を読み飛ばしてまう事があるので注意しましょう。

第4章: 日本人が知らなかった”正しい”資産運用

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  • ステップ1: 資産運用の目標を立てる

まずはいつまでに、どれくらいの資産を築きたいのかを具体的な目標を立ててスタートさせましょう。

 

期間と目標を決める事で、実際にどのような投資スタイルにすべきかを検討する事ができます。

  • ステップ2: 最適な資産配分を作る

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20代〜40代などある程度リスクを取れるような年齢の人は、債券などに比べてよりリスクが高い「株式」の割合を70-80%に増やす事でより大きなリターンを得る事が可能になります。

 

一方で50代〜60代など、10年程度で資産運用を考えている場合は、「株式」の割合を50%程度にし、より安定している債券などの割合20-40%とする事がオススメです。

  • ステップ3: 具体的な銘柄を選定する

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ここまで1. 投資期間と資産目標を決め 2. 最適な資産配分を決めたと思います。

 

いよいよ実際に投資する銘柄を選定する段階に入ります。

 

ここでは、

 

1. 最適な資産配分の決定

2. 安定的な商品の選択

 

が重要になります。

 

1. 最適な資産配分の決定とは、株式や債券などの大きなくくりではなく、より株式の中でどのような国とどのような銘柄をどの程度の割合で購入するかを決める事です。

 

リスクをなるべく分散させるためにも、まずは市場全体をカバーしているかどうかがポイントです。

 

つまり、市場連動性が高いもの(株価指数などと連動しやすいもの)を投資対象として選ぶのが良いです。

 

具体的には、S&P500やラッセル3000, CRSP USトータル・マーケット・インデックス、VTIというETFもオススメです。

 

また株価指数などとは別に、トラッキング・エラーという指標を使う事で、投資信託の価格の動きと、特定の株価指数とのズレを図ることも可能です。(トラッキング・エラーが大きいということは、株価指数と大きく乖離=市場連動性が低い)

 

2つ目の基準は、資産運用がずっと続けられるような安定した投資信託であるかどうかです。

 

上記でも説明しましたが、純資産額が1000億円以下の投資信託はお勧めできません。

しかし、現状では日本の投資信託の8割が純資産総額1000億円未満です。

 

投資対象がかなり限られてしまうでしょう。

 

最後に1つ、コストパフォーマンスが良いものを選びましょう。

これは言葉の通りで、単純に取引手数料が低いものの方が良いです。

  • ステップ4: 取引前にもう一度リスクを確認する

何度も繰り返しで申し訳ないのですが、「相場変動リスク」「為替変動リスク」「信用リスク」など、自分がこれからどんなリスクをとるのか、特に最悪のケースでなにが起こるのかを把握しておくことは、資産運用を続けていく上でとても重要です。

 

再度自分の投資先のリターンだけではなく、リスクもしっかりと把握した上で実際に投資を行いましょう。

  • ステップ5: 積立を設定する

ここまでで実際に初期資産を資産運用に回す事ができたと思います。

 

次はその資産運用を継続的に回し、より効率的に資産を増やすために、資金に余裕がある場合は、毎月の積立額を少しでも増やしていきましょう。

 

よくある質問として、

手元にまとまった資金がある場合、一括して資産運用に回すべきか、それとも積立投資をするべきか

というものがありますが、純粋に長期投資という観点からは一括投資が良いです。

 

理由は、手元にあるお金全てを早く資産運用に回せるというメリットがあるから。

 

しかし重要なのは、「一括と積立、どちらなら長期投資を続けられるか」です。

 

資産運用には、例えばリーマンショックのような精神的にきつい場面もあるため、手元にあるお金のうち半分を一括投資、残りの半分を1〜3年かけて積立投資とし、バランスをとってみる事で精神的な負担を下げることも可能です。(一時的な損失を資産全体で被ることを防げるため)

  • ステップ6: リバランスを着実に行う

最適な資産配分で資産運用をスタートしても、時の経過とともに資産のバランスが崩れてきます。

 

定期的に資産の割合を見直すリバランスが必要になってきます。

 

リバランスの頻度は1年に1度、多くても半年に一度のペースで十分でしょう。

 

最後に、「長期・積立・分散」の資産運用は、「長期」という言葉の通り、10年・20年かけて資産を育てるため、時間を味方につける資産運用方法です。

 

プロの機関投資家や個人投資家はより短いスパンで利益を生み出す必要があるのですが、投資理論からすると「長期・積立・分散」が良いとされています。

 

ここが一般の個人投資家の最も強みでもあるため、長期的な視野を忘れずにゆっくりと資産を確実に増やしていきましょう。

第4章のまとめ

  • 正しく資産運用するための6つのステップ
    • ステップ1: 資産運用の目標を立てる
    • ステップ2: 最適な資産配分を作る
    • ステップ3: 具体的な銘柄を選定する
    • ステップ4: 取引前にもう一度リスクを確認する
    • ステップ5: 積立を設定する
    • ステップ6: リバランスを着実に行う

第5章: 人間の脳は資産運用に向いていない

この第5章では、人間の脳が資産運用に向いていないことを分かりやすく解説しています。

 

  • 資産運用の中でも特に大切であり、基本的だと思われる「分散投資」の概念でさえ理解しづらい

 

分散投資には異なる資産を組み合わせることで、リターンはそのままリスクだけを下げるという特徴があり、リスクとリターンが表裏一体であるという投資の大原則の例外に当たります。

 

しかしこれらを直感的に理解することは容易ではありません。

※詳しく知りたい方は以下の2つの記事を合わせて読むと理解しやすいです。

分散投資によるのリスク低減化について | 家庭経済の耳寄り情報 | 神奈川県ファイナンシャルプランナーズ協同組合

投資信託と上手につきあう(リスク低減のポイントは分散投資) |三井住友トラスト・アセットマネジメント

 

  • 投資の基本は「安く買って、高く売る」
    しかし、実際に投資を始めると株価が下がり始めるとパニックになり売ってしまい、上昇傾向にある時に購入し高値掴みをしてしまう

 

これも実際に株式に投資をした事がある人なら経験したことが多いのではないでしょうか?

 

スーパーで野菜を買う際に、野菜が値上がりしていたら買い控えますよね?

 

しかし、株価の場合はその合理的な判断が失われてしまい、株価が上がっているものはさらに上がり続けると錯覚してしまい、購入し、結果として高値掴みになってしまう事があります。


株に対しては、直感があまりに強く、冷静に計算して行動しようとする施行を妨げてしまうのです。

 

  • 脳は「損すること」が大嫌いであり、資産運用の直感があてにならない

「損をすること」による感情の揺れは「得をする事」による感情の揺れのおよそ2倍になります。

 

つまり、株価が上昇している際にそのチャートを見ていると、株価の上昇に乗り遅れたら損をするのではないか?と感情が揺れてしまい、結果として冷静な判断を行う事が難しくなってしまいます。

 

これは株価が下落している時も同様のことが言えます。

 

株価が下落している時は、いつか下げ止まるはずではありますが、目の前で自分の資産がどんどん減っていくと「損をすること」による感情の揺れは「得をする事」による感情の揺れのおよそ2倍になるという原理から、ついつい安値で売ってしまうのです。

 

  • 過去の金融危機でも株価は大きく下落したが、やがて回復している

基本的に市場全体が0やマイナスになることはありません。

 

必ずと言っていいほど、どこかで下落は止まります。

 

リーマンショックの時も、損失は一時的なものに留まりその後2年後には元の株価に戻っています。


しかし株価が大きく下がっている際に資産を売ると、一時的であるはずの損失が確定してしまうのです。


手元のお金に余裕があれば、割安で追加投資をする大きなチャンスですが、そこまで冷静に判断するのはかなり難易度が高いでしょう。

第5章のまとめ

  • 人間の脳は資産運用に向いていない
  • 損失が出ている資産を売ってしまうと、一時的な損失が確定してしまう

第6章: テクノロジーが実現する豊かな未来

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  • ウェルスナビはこれまでにない金融サービスを生み出し、進化させていくためにも「ものづくりする金融機関」であることを目指す

ウェルスナビ創業当時、柴山社長はプログラミングを勉強したことはありませんでした。

 

しかし、新たなサービスを開始するためにはサービスを開発するエンジニアが必要です。

 

そこで柴山社長は、まずは自分自身が、「ものづくり」に挑戦しなければならないのでは...ということで、TECH::CAMP(エンジニアスクール) に通われます。


プラグラムは少しでも違うと動かず、スペースやカンマが一つ多いだけでピクリとも動きません。

これくらいすぐできるだろう。と思ったことが半日かかってもできない。


逆に「こんなに複雑なことが実現できるのだろうか」と思うようなことがプログラミングで簡単に実現できてしまうこともあったそうです。

 

これはまさに僕が内定者インターンで開発を行った際にも全く同じことを感じました。

 

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そこで柴山社長は、スーツの世界とジーンズの世界の違いに気づいたそうです。

 

つまり、言葉巧みにプレゼンするよりも、新たなものを作り、楽しんでいる姿に共感する人が多いということです。

 

  • テクノロジーを最大限に活用し、クオリティを保ちつつコストを下げれば、富裕層でなくとも世界水準の資産運用サービスを使える

技術的な進歩を理解しつつ、金融のことも理解している人はかなり少数です。

 

そのような中で柴山社長は、その少数のうちの一人です。

 

よりコストを下げるために、現在の「ウェルスナビ」は「ロボアドバイザー」ですが、データ処理の仕組みをAIが自ら改善できるようにすることで、「人工知能(AI)アドバイザー」を実現することを目指しています。

 

  • テクノロジーと倫理は車の両輪

最近ではGoogleやFacebookなどの個人のデータをどのように扱うかなどが頻繁にニュースで取り上げられますが、テクノロジーの発展と倫理は車の両輪のように切っても切り離せないものとなっています。

 

第1に私たち人間がAIの行動の正しさをどのように判断するか。

 

第2にAIの仕組みについての透明性をどう担保するか。


テクノロジーはあくまでも道具であり、それを使って利用者の利益を最優先する仕組みや環境を整えていくことの方が大切です。

 

またAIの仕組みを透明化するためにもウェルスナビはホワイトペーパーという運用アルゴリズムをネット上で公開し、透明性を高めています。


柴山社長は、2020年に預かり資産1兆円という目標を掲げています。


この数字をどのように捉えるかは人それぞれですが、仮に2020年にウェルスナビの預かり資産が1兆円、ロボアドバイザーの預かり資産が2兆円に育ったとしても、1800兆円の個人金融資産の0.1%でしかありません。

 

そして僕は実際に柴山社長のお話を直接お聞きして、この人の会社に自分の資産を預けたい!と本気で思いました。

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こちらは実際に2018年の5月に柴山社長のお話を聞いたときに作成したマインドマップです。

 

今回紹介している「これからの投資の思考法」が出る5ヶ月ほど前ですが本の中でおっしゃってることとほぼ同じことを既にこの時に語っていました。


ちなみに、米国では預かり資産が1兆円を超えるロボアドバイザーが4社あり、うち2社がスタートアップ。Bettermentは現在預かり資産が1.5兆円です。

第6章のまとめ

  • 金融×テクノロジーによる「ものづくりの金融機関」
  • テクノロジーと倫理は車の両輪の関係

第7章: お金から自由になったら何をしたいか

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  • お金とは自由を得る手段である

「願いを叶えるため」に必要なだけではなく、「望まないことをしない」ためにもやはりお金が必要です。

 

つまりお金とは、自由を獲得するための「手段」なのです。

 

  • お金に執着するとむしろ自由を失ってしまう

しかし、本当はやりたい仕事があるのに、高収入だからとやりたくない仕事を続けていると、お金に執着して仕事を選ぶ自由を失ってしまいます。

 

お金を得ることが自己目的化すると、かえって不自由になってしまうのです。

 

自由を得る「手段」としてのお金が、お金を得ることが「目的」になり、不自由になってしまうという皮肉。

  • お金を通じて自由を得るためには3つのルールがある

1. 若いときは自己投資で可能性を広げる

2. 働かなくても2年間やっていける蓄えをつくる

3. 収入が増えても生活水準を上げすぎない

 

1. 若いときは自己投資で可能性を広げる

これは柴山社長の経験からお話しされています。

 

例えば英語。

 

英語が話せるようになったからといって、大学院に合格する保証はなく、仕事で英語を使う機会に恵まれるかどうかもわからない。しかし、英語を話せなければ、いずれのチャンスも失うという経験をされました。

 

このことから、若いときの自己投資に勝るものはないと。

 

自分自身のスキルを磨き、視野を広げるための自己投資は人生を豊かにし、やがて何倍・何十倍もの大きなリターンとなって返ってくるはずです。

 

自己投資とは、英会話を学ぶ・資格を取る・バックパッカーとして世界をめぐるなど、人それぞれの自己投資のやり方があります。

 

2. 働かなくても2年間やっていける蓄えをつくる

 

1年分の蓄えしかないと、仕事をやめた瞬間に「残り11ヶ月」「残り10ヶ月」とすぐにカウントダウンが始まり、精神衛生上良くないそうです。

 

また一つの組織と一体化してしまうと、自分の感覚も麻痺してしまうかもしれない。

 

もし組織の感覚が世間とずれてしまっても、自分のバランス感覚を維持し、社会全体のために必要な時には勇気を出して「ノー」と言えるような人でありたいという思いがあったそです。

 

これは個の自立であり、転職の思考法でも同じようなことが書かれていました。

 

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またこれまで、経歴は非常に輝かしいですが以下のようなエピソード&思いを抱いたこともあったことが本から伝わってきて一気に親近感が湧きました。

 

お金がない時に、奧さんと二人でスタバで、コーヒー1杯を分けながら飲んでいた際に品のいい飼い主に大事にされている犬は、自分たちが飲んでいるコーヒーよりも高いフラペチーノを貰っていたそうです。

 

その時に、自分は世の中に必要とされていない人間なのではないか。と思った

 

柴山社長は本当に苦労されているのがこのエピソードがから伝わってきました。

 

また採用に関しても、

人を採用する立場になった今、当時の私が選考に落ち続けた理由がよくわかる。応募する側と同じく、採用する側も必死。学歴や経歴は目を引くものの、やりたいことがはっきりしていない人を採用する余裕はない

と、今の就活生などが読んでも刺激を与えられるような一言も。 

 

さらに今後のアドバイスとして、

 

3. 収入が増えても生活水準を上げすぎない

という言葉も書いてあります。

 

だいたい年収1000万円を超えると、幸福度はむしろ下がるという結果が公表されています。

 

「望まないことをしない」という自由を与えてくれるのがお金なのに、お金に縛られて望まないことをしている典型が年収1000万円以上だそうです。

 

こうした事態を避けるためには、収入が上がっても生活水準を上げすぎないことが大切

 

  • お金から自由になったら何をしたいか

そして常に考えておくべきなのが、お金から自由になったときのこと。

 

お金から自由になったとき何をするかは、一人ひとりの自由です。


今の社会を生きていく上で、お金は人生と切っても切り離せない存在ですが、お金に支配されるのもよくありません。

 

あくまでも手段としてお金を利用することが求められています。

第7章のまとめ

  • お金とは自由を獲得する手段
  • お金を稼ぐことを目的化すると不自由になる
  • お金を使って何をしたいか

Appendix

おわりにでは、今後の世界経済のことや過去の思いや行動が綴られています

 

まずは世界経済について。

 

世界経済、つまり世界全体のGDP(国内総生産)は、「労働人口×労働生産性」で導き出すことができますが、これから2050年までの30年間の見通しでは、世界の労働人口は増え続け、人工知能(AI)ナドノテクノロジーによって世界全体の労働生産性は今後ますます向上していきます。

 

つまり、「長期・分散・積立」を行うことで着実に資産を増やすことが可能です。


働く世代が自ら「資産を増やす」という道を選ぶなら、それは真面目に働き、周りの人々や社会に役立つことと、経済的に豊かになることが両立する社会の実現が可能です。

 

また話は変わりますが、ハーバード・ビジネススクールではリーマンショック後、世界的な経済危機を起こした金融業界に多数の人材を送り込んでいたことから、「自分たちは本当に世界を良い方向に変えるリーダーを育成できていたのか」と反省するした時期があったと。

 

「誰もがウォール街を目指す」時代が終わり「自分は一体何をしたいのか」と悩むハーバードMBA学生

 

このエピソードから感じたのは、世界のトップエリートでも僕たちと同じようにキャリアについて悩むのは当たり前なのだなと思いました。

 

また世界のトップスクールでも、しっかりと過去の行いを振り返り反省していることにも驚きを持ちました。

まとめ: 投資の思考法は若い人こそ読むべき!お金から自由に。

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いかがでしたか?

 

既にここまでで11,000文字超え笑

 

正直あんまり長すぎるのは良くないかな?と思っていましたが、本当に省くことがなく、これから資産運用を行なっていく際にも適切に多くの人が資産を上手に運用できるように誤解なく伝えたいと思い長くなってしまいました。

 

またこの本から僕が学んだこととしては、

 

  • 投資の基本的な原則
  • お金との向き合い方
  • 人生との向き合い方

 

の3つです。

 

題名からも分かる通り、投資の思考法と投資のtipsが乗っているのはもちろんですが、特に僕は第6章:テクノロジーが実現する豊かな未来 と第7章: お金から自由になったら何をしたいか が好きでした。

 

テクノロジーによって今後より未来がこれまで以上に大きく変化することを感じたのと同時に、この波に乗り遅れてはいけない!そしてよりテクノロジーを理解し、使いこなせるようになりたい!

 

という思いが強く湧きました。

 

またお金との向き合い方は上に書いた通りですね。

 

自由を獲得するためのお金が目的化して、不自由にならないようにと心に誓いました。

 

そして3つ目。人生との向き合い方ですが、とにかく本に直接は書かれていませんが非常に柴山さんは苦労され努力されていることが伝わってきました。

 

実際にお話を聞いた際もそのような苦労されている様子を見せることなく、自分の目標に向かっている姿は非常に感銘を受けました。

 

以上、「これからの投資の思考法」の書評レビューでした!

 

長くなりましたが読んでくださり、ありがとうございました!

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