著者である元マクドナルドCMOの足立さんと語る!#朝渋 聞き手は#20代マーケピザのすがけんさん
こんにちは!最近は少しずつプログラミンングを始めながら、エラーと戦っているはやとです。
今日は渋谷で朝から開催されている、 #朝渋 に初めて参加してきたので、簡単にまとめたいと思います!
このイベント、元マクドナルドCMOの足立さんと#20代マーケピザという新たなコミュニティの創出などを手掛けるすがけんさんの対談ということで、秒で予約しました。
#朝渋?足立さん?すがけんさん?とは
ところで、#朝渋って何?
と思った方もいるのではないでしょうか?
簡単に、朝渋と今回の登壇者二人の紹介をさせていただきます。
#朝渋
本と珈琲に囲まれたクリエイティブな空間で、「読書」をフックに、新たな学びとの「出会い」(exploration)と、学びをみんなで「深める」(exploitation)を繰り返すことで、クリエイティブな発想を高めるとともに、イノベーションの種になるような「人と知のつながり」を生み出すことが「朝渋」の目的
朝渋とは、この通り「人と知のつながり」を作ることを目的に色々なイベントを行っています。
活動時間は、7:30 - 9:00 までです。
「朝×著者×読者」の新しい読者体験として、著者に色々とお話を聞くことが可能。
また各イベントの様子は、こちらのサイトから拝見することができます。
こちらのサイト、どれも非常にイベントの様子が伝わってくるもので全部読みたくなります!
またこんな感じで、本屋さんの中にもイベントの告知やイベントに関連する本が販売されています。
足立光さん
1968年、米国テキサス州生まれ。一橋大学商学部卒業。P&Gジャパン マーケティング部に入社し、日本人初の韓国赴任を経験。戦略コンサルティングファームや、外資系化粧品メーカー等を経て、2015年より日本マクドナルド 上席執行役員 マーケティング本部長。
2018年9月28日よりナイアンティック アジアパシフィック プロダクトマーケティング シニアディレクター。
すがけんさん
株式会社Moonshot 代表取締役 CEO
これまでのBtoC、BtoB、大企業、スタートアップ、女性向け、男性向け、サービス、メーカーなど、あらゆる企業のコンサル、アドバイザーの経験を活かし企業の10倍成長を支援するアドバイザー業として2018/7/1にムーンショットを創業。(Twitter:@xxkenai )
【レポート】圧倒的な成果を生み出す「劇薬」の仕事術 2018/12/10 #朝渋
今回のイベントの紹介がこちら。
ゲストにお迎えするのは、『マクドナルド、P&G、ヘンケルで学んだ 圧倒的な成果を生み出す 「劇薬」の仕事術』の著者である足立 光(あだち・ひかる)さんです。
日本マクドナルドを業績低迷中からV字回復させたマーケティング戦略についてや、各社で成果を出し続ける仕事術についてなどをお伺いする予定です。
スライド多めになりますが、それぞれ解説を入れていきます!
全体の流れとしては、
- マクドナルドのマーケティング戦略と競争優位性
- 対談
- 質問
という流れになっています。
まずは自己紹介から。
P&Gからローランドベルガー、ヘンケル、Schwarzkopf、WORLD、マクドナルドと色々な企業を渡り歩いて来られています。
「マーケティングの人」
という印象を持たれている人も多いと思いますが、実際にマーケティングを担当していたのはP&Gとマクドナルド。
その他の会社では経営側にいて、あくまでもマーケティングは経営の1つだったそうです。
そして直近まで勤めていたマクドナルドはつい先日36ヶ月(3年)連続売上増加を達成したそうです。
そして今回執筆された「劇薬の仕事術」
これまでのまとめ・振り返りとして書かれたそうです。
マクドナルドのマーケティング戦略と競争優位性
今回のイベントのメイン部分である、マクドナルドのマーケティング戦略をお話しする前に前提としてマクドナルドの売上の推移や1日の来店者数等の基本的な情報の共有がありました。
こちらがマクドナルドのMのようにV字回復したマクドナルドの売上高と純損益。
こちらは足立さんがマクドナルドに入社される前の売上と経常利益/損失の推移です。
実はあのマクドナルドの事件が発生する前から、マクドナルドの売上は減少傾向にありました。
そのような中であの事件によって、2010年の売上を天井として2015年には約3割も売上が減少していました。
しかし、前にも見た通りその後V字回復を果たします。
この間に、マクドナルドのマーケティングは何をしたのでしょうか?
実は、マーケティングの見せ方を変えたのであり、それ以外は製品も何も変わっていません。
それなのに、不思議とお客様からは
「最近マクドナルド美味しくなった!」
との声が増えたそうです。
つまり、これが見せ方の変化です。
その前にもう1つ追加情報を。
マクドナルドの平日の来店数は200万人、休日では300万人にもなります。
つまり、マクドナルドでおなじみのトレーに敷かれている広告ビラは毎日最低でも200万人には閲覧されています。
さて、そんな中で足立さんがマクドナルドのCMOになった時は...
- メディアやネットではマクドナルドに対してネガティブイメージが蔓延
- SNSの台頭とマスメディアの影響力低下
という2つの大きな変化が。
そのような時代変化の中で、マクドナルドはまず
- 店舗改修
- 不採算店舗の閉店
を実施し、コストを削減。
また新たに就任した社長のカサノバ社長は、1年間で47都道府県を自ら周りお客様の声を経営に反映。
しかし、お客さんの声を聞いて発売した野菜系の新製品は売れず...
そこで、マーケティングによる見せ方を変更。
変更点は大きく5つ。
①新製品(キャンペーン)の方向性
②コミュニケーション戦略の概要(メディア・発信者)
③話題かを主軸のキャンペーン開発
④顧客接点の多様化(アライアンス)
⑤商品のマーケティングから、「空気づくり」と「ブランディング」
①新製品(キャンペーン)の方向性
マクドナルドに求められているのは...
「野菜や健康」ではなく、「おいしさ」
そして、おいしさ=背徳感を感じるような、ジャンクフードのイメージ。
ジャンクフード=マクドナルド。マクドナルド=ジャンクフード
(本当はジャンクフードではないと仰ってました)
このようなお客さんの頭の中のイメージをうまく利用。
さらにこれまでは、期間限定商品を中心に販売していた。
しかし、期間限定商品は
- 売れるか売れないか分からない
- どれぐらい売れるかも分からない
- 通常商品よりも利幅が小さい
ということから、これからは期間限定商品だけではなく、通常商品も積極的に売り出していく方針に。
実際に、2018年はほとんど新製品は出さず、既存品のリニューアルを中心に行っています。
②コミュニケーション戦略の概要(メディア・発信者)
世間はマクドナルドが何かする度に迷走していると叩き、ネット上ではネガティブな内容ばかり。
しかし、逆にそれはマクドナルドが注目されているということ。
これを逆手に取り、良いイメージを想起させつつ、口コミでも買いたくなるようになる施策を実施。
基本的に現代において、買わないと死んでしまうようなものはほとんどない。
しかし、何かの注目が集まっていたりなんども目にすると自然と購入意欲が湧くのである。
それらを利用するために、メディア露出(PR)をいかに実現するかを考慮。
実際にYahooやLINEニュースのTOPを狙っていたそうです。
(現在はLINEニュースが最も購読率は高い)
またここで気をつける必要があるのは、どのような順番でお客さんに対して情報を提供するか。
まずはPRを打ち、その3日後ぐらいにSNSのバイラル施策を実施、その後マス広告を打つことが重要です。
特にバイラル施策は、ある程度みんなが知ってるものでないと口コミを書きたいと思いません。
以前僕がバイラル施策を勉強した時は、あとは自分のことを知ってほしいけど直接的ではなく間接的に伝えられるものとか(エムグラムとか)はバイラル施策を最初から使えます。
こちらが具体例です。
③話題化を主軸のキャンペーン開発
そして実際に口コミ等を意識し、「身内ごと」化するために写真映えする施策や、話題になる施策を投入。
これはインフルエンサーを使わないインフルエンサーマーケティング。
- ツッコミどころ満載
- 消費者参加型
- 名前変更
- パッケージ変更
を行い、SNSでの話題を獲得することに。
マクドナルドの総選挙などは、12個とも既存製品のため前述した安定性・規模感・収益も考慮しています。
また広告費があまり無かったが、投票系は締め切りに近づくにつれて盛り上がるので、web動画をたくさん後悔し、視覚的に訴えることも。
(だいたい36個ぐらい動画作成)
またツッコミ満載の裏メニューなども、基本的には既存製品と変わりません。
このようにキャンペーンを実施しながらも、しっかりと経営的な視点で通常製品を利用することも考慮されています
またSNSでシェアのしやすさであったり、Yahooのトップニュース・LINEニュースに引用される際のタイトルへも考慮して、商品名を長いものから簡単にわかりやすいものへ変更。
④顧客接点の多様化(アライアンス)
またマクドナルドなどは目的を持って商品を購入するというよりは、たまたま来店したから、たまたまお店があったから購入するということが大半です。
つまり、来店してもらうことで売上を上げることが可能です。
そこで、誰もが知っているブランドとの製品タイアップによって普段マクドナルドを訪れないお客様へのリーチが可能になります。
これはマクドナルドを想起してもらう確率を増やすことを目的としています。
またPRなどは同じもを何度も取り上げてもらうことは不可能です。
そこで、これまでは1ヶ月に1回、複数のキャンペーンを同時に発表していたものを、毎週発表することにしました。
お客様などには、「最近たくさんキャンペーンを行ってるね」と言われますが、実際には出す時期をズラしているだけで、キャンペーンの量はむしろ減っているらしいです。
⑤商品のマーケティングから、「空気づくり」と「ブランディング」
そして最終的には、商品のマーケティングから「空気づくり」や「ブランディング」を行っていきます。
つまり、
- ジャンクフードのイメージが最も強いのはマクドナルド
- 単一のブランドでここまでの店舗を持っている外食店はない
- 面白おかしいブランドが当てはまる会社は多くない
- マクドナルドが巨大メディア(圧倒的な来店数)の保持
- 毎週新キャンペーンを打つ体力のある会社
という点でブランディングを行いながら、圧倒的な競争優位性を築いていったそうです。
対談
Q: マーケティングの施策も経営戦略もどのように考えるのか
A: 何をやるかに関しては、全て論理で考えます。
論理がないと振り返りができず、合ってた・合ってなかったが振り返れないから。
しかし、ロジックだけでは人の心を動かすことができない。
人の心を動かすのは、感情であり、面白おかしいという感情もロジックからは出てこない。
だからこそ全く違う考え方を持つ(右脳を持つ広告代理店など)人と協力しながら、良いアイデアを出していく。
Q: ソーシャルなどやるにしても、色々と承認が必要では?
A: ソーシャルキャンペーンはお金がほとんどかからず、失敗しても誰も気づかない。
マスメディアの媒体は数億円とかかるが、ソーシャルキャンペーンやPRは数百万円。
承認は部長クラスでも簡単に通すことが可能。
Q: 仕事を進めていく上でレビューをどう活用するか
A: 2つ考慮すべきコツがある。
1. 物事に取り組む前に成功基準を明確化しておく(成功とは、一般的な成功かどうか。社内基準は×)
2. 全員でレビューを行う
Q: 組織論等
A: 会社のカルチャーは上から変化していく。
社員が自分の製品を使い、発信していくことはとても大きなメディアになることを忘れない方が良い。
マクドナルドに勤めていた時は、週に10回ぐらいマクドナルドを食べて実際にSNSにあげていた。(宣伝も込めて)
Q: 確証がないものに対して
A: PRやSNSなどは特に打席数が重要。
ラーニングしたものを生かしていくのが良い。
マクドナルドの場合、2016年に出したキャンペーンなどは3割ぐらいの勝率。
しかし、そこから学び2017年にはほぼ全勝に。
Q: これから足立さんのようになるためには
(前提: 20代2社目として)
A: 会社を変えるのはあまり推奨はしていない。
とにかく目の前の結果を出し、社内に敵無しの状態を作る。(理想は2年ぐらい)
そうしないと次につながらない。
質問
Q: 戦略とは?戦略を実際に実行するには?
A: 戦略を立てる際には、何が成功するかしか考えていない。
その上で理論を足していく。
→アイデアベースでスタートした上で、理論でカバー。
戦略を実際に実行するには、旗振り役をみんなから注目されていたり、一目置かれている人にする。
そして評価指標を適切に変えることが良い。
A: カルチャーフィットに関して
基本的に素の自分で良い。
しかし、場所に応じて、最適な演技を取ることが大事。
そうすると自然とみんなが信頼してくれるようになる。
Q: 周囲を巻き込む際に意識していることは?気をつけていることは?
A: 新入社員に対してもフラットな姿勢で、意見を全て聞く。
相手の思考を停止させてはいけない。
そのためにも、あえて自分は答えをわかっていても腹落ちさせるようにしていく。
あとは激しい飲み会笑
まとめ: #初朝渋だったが、イベントの学びもあり、朝も気持ちが良い
いかがでしたか?
初めて朝渋に参加しましたが、イベント終了してもまだ9時!
それもすでに渋谷に到着している。
めちゃめちゃ有意義な時間になります。
そして今回のイベントもめっちゃ参考になりました。
改めてマーケティングの奥深さとともに、より勉強し実践していきたいと思いました。
最後に、サインを貰ったのでその写真で締めたいと思います。
読んでくださりありがとうございました!!