【要約&まとめ】超おすすめ!『自分のアタマで考えよう』は本質的な思考を教えてくれる
こんにちは!はやとです。
「自分のアタマでもっと考えなさい!」
「本当に考えたの?!」
など、グサグサと心に刺さる声。
それと同時に、「これ以上何を考えればいいの?!」と頭に血が上る感覚を味わったことがある人も多いのではないでしょうか?
今回は、社会派ブロガー&紀行文筆家こと、「ちきりん」さんの著書
『自分のアタマで考える』
をまとめていきたいと思います。
この本、絶対に一度読んだ方が良いです。これまでいかに、知識と思考を混ぜて考えていたかを痛感させられると同時に、これからの生活の仕方が大きく変わることでしょう。
ちきりん(Chikirin)とは?『考える』を再定義した人気ブロガーとは
そもそも今回紹介する本を書いている、「ちきりん」さんとは誰でしょう?
ちきりんさんとは、有名ブロガーの一人であり、紀行文筆家でもあります。
ブロガーと言っても、昨今の副業!ブログ!などが来るもっと前の時代。
具体的には、2003年から「Chikirinの日記」をスタートし、今尚更新が続いている超古参ブロガーです。
このブログは、「ちきりんが考えたこと」を記録し、「12歳の時の私」に知っておいて欲しいコトを呟くと言う形を取っています。
またTwitterでも日々、「その視点はなかった!」「あの短な情報って、このように考えることもできるのか!」と「考える」きっかけをもらうことができます。
もともと一橋大学卒業後に、日興証券(現SMBC日興証券)に新卒で入社後、UCBarkeleyにMBAを取得に行かれています。
帰国後にマッキンゼーアンドカンパニーに入社し、その後は採用マネージャーなども歴任されている非常に聡明な方です。
【要約】「自分のアタマで考えよう」のポイント
さて、早速本の中身を要約していきたいと思います。
冒頭のメッセージで、
「考えが浅い!」「もっとよく考えろ!」と言われるが、「これ以上どうやって考えればいいのか?」と悩んでいるあなたへ
と始まる。
「知っている」と「考える」はまったく別モノ
- 「知識」と「思考」の違いは、「知識」とは過去の事実の積み重ねであり、「思考」とは未来に通用する論理の到達である
- 何かを考える際に、頭の中から知識を引っ張り出す行為は、「思考ではなく、他人の思考を借りている行為」の他ならない
- 自分の頭で考えることは、「知識と思考をはっきりと区別する」ことから始まり、「自分で考えなさい!」と言われたら知識を取り出すのではなく、むしろ知識を一旦「思考の舞台の外」に分離することが重要
例えば、「野球の観戦者の割合が高齢化している」というデータが存在するとしよう。
その場合、今後の野球界の雲行きが「明るい」のか「暗い」のか。
純粋に、物事それ自体に対して「良い面」「悪い面」「どちらでもない点」を列挙した上で、「悪い」場合は、「なぜ悪いのか」「その悪いものは改善可能なのか」「改善するとしたら何をすべきなのか」を考えるのが本来の思考です。
一瞬でも、「パッと」何らかの情報を抽出してしまうのは、「思考」ではなく「知識」の思い込みが存在している証拠である。
時代が変わり、世の中が変わり、新しい現象が出てきて新しい情報に触れたときに、過去の知識ではなく、目の前の情報から考えることができるかどうかが肝であり、これはまた自分が即しているコミュニティや業界に関しても同じことが言える。
基本的に、自分の専門分野になればなるほど「知識」が増えるため、思考が保守的になりがちである。
また成功体験は、知識の中での影響力が大きく、成功体験はゼロベースで物事を考えるときの妨げにもなってしまう。
だからこそ、「自分で考える」行為を行うときに、「知識と思考をはっきりと区別」することが重要であり、頭の中から「知識」を引っ張りだすのではなく、むしろ知識を一旦「思考の舞台の外」に分離することが重要である。
最初に考えるべき「決めるプロセス」
- 意思決定のためには、「どうやって結論を出すべきなのか(どのような情報が必要で、その情報がどのような場合に、どのような結論になるのか)」を先に考える必要があり、十分すぎるほどの情報を集めるのが先ではない
- 「考える」とはインプットをアウトプットに変換すること
- 考える力を身につけるためには、「考える時間を増やす」ことが重要であり、そのために考える時間を「見える化」することが必要(意識するだけで、考える力は大幅に伸びる)
会議などでよくある、全く結論がまとまらず、先に進まないこと。
あれは、意思決定プロセスにおいて、「結論の出し方」が決まっておらず、どのような情報が必要であるかが不明確だからこそ起きてしまう。
情報収集する前に、意思決定プロセス(基準)を明確にすることで、それに合わせて情報を収集すれば良いので、情報収集に必要な時間を大幅に短縮可能である。
また優秀な人ほど、「知らないことを知ることで興奮してしまい、情報収集の罠にハマってしまう」
しかし、「考える」とは、「何らかの結論を出した」「ある考えに至った」という意味である。
「考える力」を最も効率よく身につけるためには、「考える」時間を増やすことが重要であり、「考える」を見える化することが良い。(本ばかり読んで情報収集しても、考える力は身につかない)
具体的には、30分でも1時間でも長く、「考える」時間を確保すること。
その間は、ブラウザも表計算ソフト(エクセル)も閉じて、考えることに集中することが重要。
「なぜ?」「だから何なの?」と問うこと
- 「なぜ?」「だから何なの?」という2つを問うことが重要
- 情報と思考のバランスが重要であり、1つのデータからでも思ったより多くのことを考えることができる(情報収集やグラフ化に1時間かかった場合は、少なくとも1時間はデータを睨みながら考え抜くべき)
- ビジネスや投資では、自分で考えることができれば、他者に先んじて準備を行うことができる
情報を見た時は常に、「なぜ?」「だから何なの?」を必ず頭に思い浮かべることが重要。
「なぜ?」は、数字の背景を探る問い。
「だから何なの?」は、過去の結果がこの数字であるとすると、次は何が起こるのか?それに対して自分は何をすべきなのか?を考えることができる。
「知識を得ること」も大切だが、「自分のアタマで考え、予測すること」もとても意味があり、普段の行動の中で得る(新聞やテレビ、Twitterやブログ)情報のうち、気になったものだけでも「なぜ?」と考えるクセをつける。
すると、新たな社会の動きが見えるようになってくる。
あらゆる可能性を検討しよう
- 分解図を使うことで、「あり得る全ての可能性」を網羅的に洗い出すことが可能
- 完璧になるまで洗い出し、常に「他にないか?」を想像することが、「あらゆる可能性を考える」という思考のプロセス
物事を何か考えるときに、分解図を書くことで抜け漏れが無くなるのと同時に、視覚的に書き表し、文字として言語化するため、より思考が整理されます。
また「考える」ことに終わりはなく、失敗もない。あえて失敗を定義するとしたら、「正しい方法論の学びの機会」を得たということである。
縦と横に比べよう
- 全ての分析の始まりは、「比較」である
- 比較は、「対象」と「項目」
- 比較は、縦(時系列)と横(他社)
- プロセスを分解し比較することで、「物事の進め方」や「段取り」まで比較可能
あらゆる物事を「考え、分析」するには、比較がまずは重要である。
企業分析の場合は、⑴財務データを競合他社と比較⑵過去と現在の時系列比較を行うことが基本。
判断基準はシンプルが一番
- 物事を決められないのは、「判断基準が多すぎるから」であり、明確な判断基準があれば、選択肢がいくつあろうがすぐに決まる
- 判断基準は、優先順位付けが重要
- 判断基準自体は、目標の姿から導かれるものであり、判断基準を絞り込むことで本質的なポイントが浮かび上がってくると同時に、結果を得ることができる
例えば婚活女子の場合、⑴経済力⑵相性と判断基準を2つ程度に絞り、その上でさらに⑴経済力が自分ではコントロールできない基準なので、こちらの優先度を高くすることで、絞り込みを効率的かつ合理的に行なっているのである。
判断基準は、目標の姿から導き出されるものであり、優先度の高い基準を選び、その視点から選択肢や事象を見ると、本質的なポイントが浮かび上がってくるので、本質を抽出するのにも役立つ。
レベルを揃えよう
- 話のレベルがずれているときは、分解図などを使いながらレベル感を合わせよう
- レベルを揃えることで、本音が見えてくる
情報だけではなく、「フィルター」が大事
- 就活やビジネスにおいては、集めた情報量ではなく「自分独自の、価値あるフィルターを見つけられたかどうか」が重要
- 日本企業は、決められた「フィルター」内で一番を取るのは得意だが、新しい「フィルター」を提案するのは苦手である。
- 新しい「フィルター」が取り入れられることで、「ゲームのルールを変える」ことが可能になり、自分たちの努力が正当に報われるようになる
就活では、「自分独自のフィルター」(営業でも、個人営業なのか法人営業なのか、出向くのか来てもらうのかなど)を確立できることが重要である。
就活においてもビジネスにおいても、与えられたフィルターに何の疑問も持たず、そのまま受け入れて必死に頑張ることのではなく、「自分(他社)独自のユニークなフィルターを見出してそれで勝負する」ことが発想に転換が必須。
データはとことん追い詰めよう
- データは、「本当なのか?」と疑う気持ちを持ち、データを追い求めて深掘りして見ることが、自分の頭で考えるときには必須。
メディアなど、権威性の高い媒体からの情報でも、提供されているデータに関して、自ら生データを取得しに行くことが「考える」上で必須になる。
グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する
- 階段グラフを利用することで、思考の生産性が飛躍的に向上
- 数字以外の情報を扱う際も、積極的に視覚化することで、「思考の視覚化」を助け、細部まで思考する必要が出てくる
- 思考においては、⑴言語化する⑵次に視覚化することが重要であり、このステップを踏むことで、考えの甘い部分が見つかり、思考をより深めることができる
円グラフや棒グラフで、結局別の資料を交互に見たりする必要が出てしまう場合も多いが、階段グラフを利用することで、より視覚的に事象を捉えることができる。
さらに、数字以外の思考を視覚化するためには、言語化以上に緻密に思考する必要があり、抜け漏れ、考えの甘い部分のチェックを行うことができる。
知識は「思考の棚」に整理しよう
- 知識を得たときは、それを元に考えたこと(思考)の中に整理して格納すること
- 「思考の棚」に合わせて、「起こる可能性のあること」を事前に想定し、それが当たった場合には「何がわかるか」「何が言えるか」を事前に考えておく
- 「情報の価値」は、「その情報によってわかることの価値」であり、後者を明確にすることで、「妥当な情報入手コスト」も明確になるため、無用な情報収集が必要なくなり、「考える時間」に回す余裕が生まれる
- 「思考の棚」は、複雑ではなく、シンプルな二次元の表(縦×横)で良い
知識を思考の棚に入れておくことで、個別の事柄が意味を持って繋がり、全体として異なる意味が見えてくることがある。
また、「思考の棚」を作っておくことで、情報の吸収性が全く異なる。
何か作業をするときは、「これが分かれば、何がわかり、どのくらいの価値があるのか」を考えておくのが重要である。
最後に
- 自分のアタマで考えることは楽しい
- 自分でもワクワクすることがある
- 圧倒的なレベルの知識を目の前にしても、考えることをやめないのが本来のあるべき姿
- 自分の頭だけで考えていると、最初は泣きたくなるぐらい幼稚な考えしか浮かんでこない。しかし、それらをぐっとこらえ、自分で考えることが重要。
まとめ:Chikirinさんのブログもまた勉強になる!自分のアタマで考えるクセを付けよう
これまでの流れ全体をまとめると、
- いったん「知識」を分離すること!
- 「意思決定のプロセス」を決めること!
- 「なぜ?」「だから何?」と問うこと!
- あらゆる可能性を探ること!
- 縦と横に並べて比較してみること!
- 判断基準の取捨選択をすること!
- レベルをごっちゃにしないこと!
- 自分独自の「フィルター」を見つけること!
- データはとことん追いかけること!
- 視覚化で思考を深化させること!
- 知識は「思考の棚」に整理すること!
ということになる。
いかがでしたか?「自分のアタマで考える」ことをしていましたか?
僕はまだまだなので、これからこの11項目をアタマに叩き込みながら、常に意識してみようと思います。
また機会があれば、僕のアタマで考えたことをこのブログで紹介できたらとも思っています。
読んでくださりありがとうございました。