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市場将来性は抜群!フォースタートアップスの業績推移と将来の株価推移

スタートアップ熱が高まっている...!!

今回はフォースタートアップス(証券コード:7089)を目論見書や決算、インタビュー資料などを見ながら分析していきます。

政府はスタートアップ育成分科会を開催し、その中で「スタートアップへの投資額を、現在の8,000億円規模から5年後の2027年度には、10兆円規模と10倍増に」と述べられました。

5年で10倍!すごい規模ですが、当然事業には人が必要であり、投資額に比例して人材の募集もますます増えていくと予想されます。

そのような中で、スタートアップを中心に採用支援を行うフォースタートアップスは大きく業績を伸ばし、株価が上がることが期待できそうです。

フォースタートアップスの概要


引用:決算説明資料より

フォースタートアップスは2016年9月に設立され、“for Startups” というビジョンを掲げています。

成長産業領域における支援全般を取り扱っており、その始まりとしてヒトの支援(人材支援)と、カネの支援(資金支援)を現在は行なっています。

事業内容


引用:決算説明資料より

フォースタートアップスの事業は、大きく2つのセグメントに分かれます。
・タレントエージェンシーサービス(人材紹介・起業支援サービス)
・オープンイノベーションサービス(STARTUP DB・官民連携支援サービス)


引用:HPより

タレントエージェンシーサービスの中でメインは、人材紹介サービスです。ビズリーチなどの求人DBを利用し、スタートアップに求められる人材をダイレクトリクルーティングする形で企業に紹介。

またスタートアップ環境の発展という文脈で、起業支援サービスも行っており、起業家志望の人をベンチャーキャピタルと繋ぎ、起業まで進むと成功報酬でベンチャーキャピタル等から手数料を得るモデルです。


引用:決算説明資料より

オープンイノベーション事業は、スタートアップ企業の資金調達支援などを行い、調達金額に応じた手数料収入がフォースタートアップスに入ります。

それ以外にも、STARTUP DBと呼ばれる国内スタートアップ・ベンチャー企業のデータベースの利用料が収入となります。

公共事業受託は、行政・公共団体に各種プロジェクトが採択され、調査レポート作成収入なども一部入っております。

ビジネスモデル・優位性・差別化要因


引用:決算説明資料より

事業概要で記載した通り、企業と人材のマッチング支援による成功報酬が中心です。

特徴はスタートアップ・ベンチャーに強みがあること、特に未上場企業の情報がいち早く手に入る(STARTUP DBの活用)ことです。

企業の財務状況や資金調達の動向をいち早くキャッチし、先回りで必要な人材を紹介できる点などが強みとなります。


引用:決算説明資料より

直近では、STARTUP DBの利用料収入の増加やカンファレンスを主催することで協賛金収入の追加、官公庁のレポート作成受注など人材紹介以外のビジネスにも幅が広がってきています。

沿革


HPより独自に作成

2016年9月に東証プライムのウィルグループの子会社、ウィルオブ・ワークの1事業部から分割する形で生まれたフォースタートアップス

当時は(株)ネットジンザイバンクという商号でしたが、2018年3月に上場を見据えてか、現在の名前に変更しています。

また特徴的なのは早い段階から、日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)への入会や、上場後に新経済連盟(新経連)に入会するなど、他のベンチャー・スタートアップとは異なり産業・業界全体を巻き込んでいくという気概を感じます。

フォースタートアップスの売上・営業利益・営業利益率

ここからはフォースタートアップスの売上・営業利益の推移や直近の動向について見ていきます。

PL・BSなどの財務状況


HPより独自作成

まずは業績推移です。売上は右肩上がりで伸びており、特に2021年以降は社会全体でスタートアップへの転職機運が高まったことや資金調達環境の良化もあり、トップラインがぐっと上がっております。

また営業利益に関しても2021年に一度大きく下げますが、概ね営業利益率は20%前後で推移しています。

2021年に下がった要因としては、成長のための採用・人件費の増加です。ただし、一定期間で投資回収できるため一時的なものとなります。


HPより独自作成

2022年3月末時点でのBSとしては、流動資産が多く流動比率は271%となっています。

人材紹介業が中心のため、BSに固定で乗ってくるものは少ないはずなので、肌感ともズレはなさそうです。

直近主要決算サマリ


引用:決算説明資料より

2023年2月14日出された決算を見ていきます。
まずは全体概要です。

3Q時点で売上は22億円(YoY+35%)、営業利益は4.9億円(YoY+38%)となっております。業績予想に対しては、売上進捗率は79%まで進捗しており、営業利益は97%まで進捗しております。

数値だけ見ると全く問題なさそうに見えますが、経済的な市況感もあり懸念もあります。


引用:決算説明資料より

紹介人数は2Qから2期連続で前年比割れをしております。現時点ではよりハイレイヤーの高単価人材へシフトしていることで売上・利益ともに伸びておりますが、より一層採用が絞られてくると、フォースタートアップスの売上にも影響が出てきそうです。


引用:決算説明資料より

四半期ごとの決定年収比率を時系列で見ていくと、2023年に入ってから一気にトレンドが変化してきており、これまでは年収800万円以上の割合が30%程度だったのが、50%程度まで上がってきています。

私の肌感ですが、スタートアップへの就職ハードルが年々下がっている中で、ミドル・ハイレイヤーはヘッドハンティングで優秀層を迎え入れつつ、その下のメンバー層は新卒・第2新卒で採用し育成するという企業が増えてきている気がします。

主要株主・年収・その他


引用:有価証券報告書より

続いて企業の安定性の材料となる株主や従業員の年収をざっと見ていきます。

まずは従業員の状況ですが、2022年3月末時点で115名が在籍しており、平均在籍年数は1.8年、平均年齢は30.6歳と全体的に若い企業となっております。

一方で平均給与は638万円と比較的高い水準となっており、これらが採用の競争力になっているように見えます。


引用:有価証券報告書より

続いて株主の状況ですが、ウィルグループの子会社から分割されたこともあり、約55%を持っています。続いて社長が6.7%となっております。

今後の成長可能性・将来性


引用:決算説明資料より

株価の上昇に関係してくる売上・利益の伸びに関して見ていきます。

会社の中長期目標として、まずは2025年3月期に売上50億円達成を目指しています。2023年の28億円から考えると、CAGR34%の成長が必要です。

ただ過去6年間のCAGRは30%のため、やや成長率を上げる必要があります。ただ過去3年で見るとCAGR48%のため問題なく見えます

上記より、直近の成長率を維持できれば達成は可能そうです。また市場全体としても伸びているため、世界的な不況などがない限りは達成が固そうです。

株価・時価総額・株主優待・配当利回り他


引用:株マップより

株価は初値1,628円から始まり、2021年の夏頃より業績予想の上方修正などもあり一時6,000円近く上昇。その後は旧マザーズ市場の暴落などもあり、直近は1,750円近くを推移

時価総額で見ると現在は60億円前後で、営業利益が6億円弱出ている会社としては割安な感じがします。

さらに営業利益はすでに業績予想をほぼ3Qでクリアしているため、大幅達成が見込めそうです。


引用:バフェット・コードより

PERは16.3倍、ROEは22.9%、ROAは13.2%となっております。

グロース株のため株主優待や配当はないので、キャピタルゲイン狙いで購入となります。

類似企業との比較(JACリクルートメント)

「年収高めの人材をヘッドハンティングで紹介する」というビジネスモデルを見た時に思ったのは、JACリクルートメントに類似しているなと思いました。


引用:Google Financeより

JACリクルートメントは、幹部人材・高年収に特化した人材紹介会社で、2012年から2022年までで株価は40倍になっております。PERは18.8倍となっており、ややフォースタートアップスより高い状態です。

まとめ

世界的にも、日本でも年々注目が増しているスタートアップ・ベンチャー市場。

転職が当たり前の世界になってくる中で、引き続き市場全体は広がっていくことが予想されます。フォースタートアップスは市場の成長に合わせて業績を伸ばしていくことができる一方で、人材採用市場への参入障壁は低いため、市場拡大に伴いより一層の競争が予想されます。

またトップラインを上げるためには、人員数に一定比例するため、自社の採用の様子にも注目です。

他にも企業分析記事を掲載しているため、ぜひ見て感想などいただければと思います!

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